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treasure 『依頼品の謎』

treasureに支えられて更新です、第二弾!
伽砂杜ともみさまにいただきました。
ハン・キル→アニ、さりげなくビュウ→フィズ。
相変わらずの可愛いさです><
伽砂杜さま、ありがとうございます!!






*****





『依頼品の謎』 BY 伽砂杜ともみ


「サフィールが欲しいんだけど」
 突然押しかけてきて、開口一番カイルはアニーにつめよった。
 その勢いに後ずさりながら、複雑な笑みで返す。
「ええ! それはちょっと難しいかもしれないんだけど……」
「錬金術で作れるって聞いたんだけど、アニーは錬金術師だろ?」
「そうだけど……でもまだそれを作れるレベルじゃないっていうか」

 しどろもどろに答えるアニーに、カイルは大きなため息をついて見せながら、大仰に首を横に振った。
「そんなもの、挑戦してみなきゃわからないだろう? ちなみに勝率はどれくらい?」
「勝率って……まあいいけど。そうだね、四割くらいかな。だから、ムリ」
「それだけあれば、チャレンジしたら出来そうだね。出来るだけ急ぎでよろしくー!」
「え!? あ、ちょ、ちょっと!」

 来た時と同じように慌ただしく帰っていったカイルに、呼び止めようとして伸ばした手が空しくさまよい、あきらめて力なくおろされた。

「カイルって、いつも無茶な注文つけるんだから」
 それでも材料があるかチェックしていると、今度はキルベルトが扉を壊すかと思うほどの勢いで飛び込んでくる。

「アニー! サフィールはないか!?」
「ないよ」
 なんでか大繁盛な兆しを見せ始めたサフィール人気だが、アニーは唇をとがらせて即座に答える。
 あまりの即答っぷりにキルベルトがこの世の終わりかと思うほどの激しさで、頭を抱えてうずくまった。
「お、終わった!」
「なに? サフィールがどうしたの?」
 さすがに少しばかり申し訳なくなって聞けば、すぐさま立ち直ったキルベルトが熱くこぶしをにぎりしめる。
「聞いてくれるか!」
「え、えーと。どうしよっかな」
 聞いてしまえば、作らなくてはいけなくなる気がして、あさっての方向を見てしまう。
「錬金術で作る事が出来るサフィールを持っているとだな……」

 だが遠慮なく言い出したキルベルトの動きが、ふと止まった。
 キルベルトとアニーが見つめ合う形になり、少しして彼はとぼけるようにそっぽを向く。
「いや、だから、とにかく必要なんだ!」
「さっきカイルも来たんだけどさ、悪いけどあたしじゃお役に立てないよ」
「なんでだ! 錬金術師だろ?」
「だからー、まだそこまでの腕がないっていうか」

 同じセリフを繰り返しながら、だんだんむなしくなってきたアニー。だが、本当に成功するかわからないのだ。

「時間はいくらでもかかっていいなら、出来たときに持っていってあげるけど?」
「それじゃあダメだ!」
「どうして? っていうか、なんでそんなにサフィールが欲しいの?」
「それは、その……おっと! ギルドが呼んでる気がするぜ! じゃあな、頼んだぞ!」
「あ、こら!」

 あんな重装備だというのに、風のように目の前から消えた。
 取り残されたアニーは、サフィールについて考える。
 だが考えたところで、突出した効果はなかったはずだ。アクセサリーにしたら、それなりの効果はあるのに、彼らはサフィールという宝石を欲しがっているのだ。
 それとも巷で、大流行してるとか?
 しかし、そんな話はショップに来てくれるお客さんから、聞いた事などない。

「さぼるな、アニー」
 あきれた声をかけてくるぺぺに、アニーが唇をとがらせた。
「あ、ぺぺ。なんか腑に落ちなくてさー。修行もそっちのけだよー」
「……そんなの、アニー次第だろ?」
 半眼で行ってくるぺぺに、アニーは頬をかいた。
「そうだけど……あ、ぺぺならわかるのかな! さっきカイルとキルベルトが……」

 言いかけたところで、扉が丁寧にノックされた。
 この正確ともいうべきノックの強さと間隔は、ハンスに間違いない。
「どうぞー」
 と声をかければ、いくぶん固い表情のハンスが失礼する。と入ってきた。
 今のアニーには、この雰囲気はイヤな物としてしか感じ取れなかった。
「アニー。その、頼みがあるんだが」
「サフィールなら、ムリだからね」

 先手を打ってきたアニーに、ハンスの動きが止まった。
 案の定だったらしい。
 怪訝な顔で交互に見てくるぺぺを見て、アニーはぺぺが知らないのだと気がついた。
「さっきから、カイルとキルベルトも来たんだよ。出来ないって言ってるのに、すぐ欲しいって言い逃げなんだよー」
 二の句も告げられないハンスに、そう言ってやったとき、またアトリエの扉が音を立てて開けられた。

 けっして新しい物ではないソレは、そのうち壊れるかもしれない。との危惧をアニーとぺぺの中に浮かび上がらせる。
 飛び込んできたのは、ビュウだった。
「アニー!」
「サフィールはないから!」
「えー! なんだよ、材料なら頑張って持ってくるから作ってくれよー」
 遠慮なくブーイングをするビュウに、ハンスは無言でうなずいてくる。

 アニーとぺぺは顔を見合わせた。
 サフィールが、どうしたというのだろうか。

「サフィールがどうかしたのか?」
 ぺぺが素直に聞けば、ビュウが口を開きかけて、口を真一文字に結んだ。
「恋敵に教えるわけには、いかないんでね」
「……はぁ?」
 あきらかにわけのわからないぺぺが、あんぐりと口を開ける。
 だったら、と。アニーがぺぺをショップに追いやり、とってつけた笑顔で問いただした。

「ビュウ、サフィールがなんで必要なの?」
「こ、答える必要があるのか?」

 ビュウに聞いたのに、少しあせった様子のハンスが聞き返してくる。
 だがアニーは真剣な顔でうなずいた。
「あったりまえ! 作るのはあたしなんだから、必要たる理由を聞いたっていいでしょ?」
「だが、プライベートな事だって……」
「ハンス、まあいいじゃん。ええとな、サフィールを毎夜、月の光に当てながら好きな子の名前を三回唱えると、両想いになれるんだ」

 そんな効果、初めて聞いた。
 あまりにもうさんくさすぎて、アニーはとりあえず、へーと返す。
 別の用事が。とか言いながらアトリエを後にするハンス。それを追うのもめんどくさくて、アニーはあまりのくだらなさにため息をついた。
「だからさ、頼むよ! 今度の満月までに間に合わせたいんだ!」
「……たぶん無理だと思うけど、成功率四割でよければ頑張ってみるよ」
「うわっ! 頼むよ、助かったー!」

 素直に喜びをあらわすビュウに、アニーが目を輝かせる。
「あのさ。ビュウはだれと両想いになりたいわけ?」
「そこまで言わなきゃいけないわけ?」
 まっすぐ返してくるビュウにひるむでもなく、アニーは爽やかに笑った。
「あったりまえでしょ! その子のことを念じながら作ったほうが、効果が大きいと思わない?」
「う。それはそうかもしれないな」
「でしょでしょ! で、だれなの?」

 ずいずいと詰め寄られたビュウは、隠すわけでも恥ずかしがるわけでもない。
「フィズだよ。だから、ぺぺには絶対作らないでくれよな」
「うんうん! って、なんでぺぺがダメなのかわからないけど、わかった! 頑張ってみるよ。でも出来なかったら、ごめんね」

 そうは言ったものの、今ならなんだか出来るような気がする。
 そんな意欲を自分の中に感じながら、アニーはふと聞いてみた。

「そういえばさ、カイルとキルベルト、ハンスも頼みに来たってことは、みんなだれかを好きって事だよね? ビュウはなにか聞いてる?」
「……聞いてても、言えないな」
「そうだよねー」

 真剣みを帯びた顔で言葉を返したビュウに、アニーはあっさりうなずく。
 だが、にっこりと笑って付け加えた。

「あ、じゃあさ。みんなに言っといて? サフィールが欲しかったら、あたしにその人の特徴とか名前とか教えてって」
「……言うだけ、言っとくよ」
 含めるような物言いに、アニーは小さく首をかしげたが、ビュウもそれ以上言う事はない。
 
 失敗の山がどんどん築かれる中、喜び勇んでアトリエを訪れたのは、カイルだけであったという。






────────────
もうニヤニヤしっぱなしでした。ここのハンスのかわいさといったら(笑
そそくさと帰るハンスがかわいいです。それを特に追わないアニーもかわいい////
そんでもって、さりげなくビュウが男らしい。
実は一番かっこいいのはビュウかもと思う今日この頃です。将来有望。
これで方向音痴でなければ……!

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  Name : 光太朗。
  性別女、またの名を光太朗子。
  『アニーのアトリエ』ハマり中。

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