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treasure 『リーズのレポート』

いただきSS、ニューフェイス! でございます><
以前からネタ提供していただいている、瀬名さまです!

ハン→アニでありながら、ビュウフィズでもあり、ジェリ→キル(→)アニでもあり……とにかく色々オイシイこと間違いなし。
がっちり世界観を堪能できてしまいます><

はりきってどーぞ!!





*****





『リーズのレポート』 BY 瀬名


ベートゲア氏の孫娘、アニー。彼女を中心としたセラ島の住民についてのレポートをここに記す。
尚、これは個人的興味に基づくものなので、誰かに見せる予定は無い。

今回調べてみたことは『好きな人』についてである――――



 ※ 


レストランでデザートの追加を頼むついでに聞いてみた。
「ねぇ、誰にも言わないでおくからさ、教えてほしいんだけど」
「なんだかわかんないけどお断りよッ」
聞きもせず拒否されたのは聞こえないふり。
「フィズって誰が好きなの?」
「んなっ!?」
ぱーっと一気に染まる顔におや? と思った。
「べっべべべべっ、別にアンタに、か・関係ないでしょっ!?」
「え? アニーじゃないの?」
少女が姉と慕っている者の名を告げると「しまった、その手があった」とばかりに顔を強張らせた。
この反応からすると他に誰かいるらしい――異性で。

おもしろいのでカマをかけてみる、それもピンポイント攻撃だ。
彼女と年が近く、かつよく一緒にいる相手は……
「あ、ビュウだ」
「えっ!?」
適当に視線を向けた先を勢いよく振り返るフィズ。
赤くなった顔をお盆で隠しながら。
瞳にこもるのは期待と焦りと、ある種の熱。

「……うっそぴょ~ん」
わざと軽い調子で言うとピシリとかたまり、ふるふると震えながら赤い顔で睨まれた。
うるんだ目の理由はおそらく恥ずかしさと悔しさ。
そりゃあそうだ。自分の好きな異性の名を知られたくないのが乙女心だ。
それも相手はツンデレのフィズである。
あ・ヤバイ。本気で怒らせたかも。
思ったが、時すでに遅く、大きな声で「ばかぁっ!!」と怒鳴られた。


 ※ 


フィズが女性で好きなのはアニー。
異性ではビュウと確信しているが――……聞き出してから一週間、まだ口をきいてくれない。


 ※ 


「ねぇカイルー、カイルの好きな人って誰?」
採取先で魔法の草を摘み取りながら聞くと、片眉をあげてから軽くポーズをとった。
相変わらず明るくアホっぽい印象のキザさだ。
「何だいリーズ、ボクに惚れたのかい? いけないよ、ヤケドする」
「あはは、違うよー。カイルのそーいう自信満々なところは嫌いじゃないけどね」
そう笑い流すと「なーんだぁ」とポーズだけで残念がってみせる。

「で、いるの?」
「うーん、そうだねぇ」
言いながらメガネを押し上げる。
瞬間キラリと光ったレンズがくせ者だ。
「例えばリーズのはつらつとしたところは魅力的だし、とても美人だと思うよ」
「あらありがと」
にっこり笑顔のセリフにこちらもあっさり返す。
「アニーのあっけらかんとした素直さは可愛いと思うし、実際に可愛いよね」
「そうね、アニーは可愛いわね」
このあたりでリーズは察した。カイルは会話をするが答えないことではぐらかす気だ、と。


 ※ 


カイルからは聞き出せなかった。
しかし彼の常駐場所である武器屋にヒントが隠されていると思うのは想像のしすぎだろうか。


 ※ 


「ねぇ、1番好きな人って誰?」
リーズは以前「お菓子屋さん開いたら?」とすすめられた程の腕前をしている。
その自慢の腕をふるっての新作オリジナルケーキをつつきあいながらの会話だ。
「えー、メルディアとアニーかな、にゃはははは」
「わかっているのにとぼけないの」
すこん、と軽くチョップを落とす。
「男の人で、よ。オトコのヒトで! 1人や2人いるでしょ、白状しなさいっ!」
つめよると眉をくにゃっと寄せた。

「んー、そーだねぇ。キル君おもしろいなって思うよ」
え? と目をぱちぱちさせた。それくらい意外だった。
「キルベルトが……好きなの?」
「好きっていうか……うーん。お気に入り、かな? おもしろくて」
確かにあの青年はおもしろいが、自分の思う「キルベルトのおもしろさ」とジェリアの指す「おもしろい」は一致していないと思い、「どこが?」と突っ込んでみた。
「何回負けても挑戦してくるところが情熱的だな~って思うし、挑戦してくる度に強くなってるところとか向上心強いなーって思う。
そーいうところが飽きないな、おもしろいなって思うの」

にゃはははと笑う姿からは恋情の有無は読み取りにくかった。
カイル以上に上手なごまかし方か、さもなければ本人にもわからない状態なのだろう。
しかしキルベルトの恋する相手に心当たりのあるリーズは
「そっか」
とあいまいな笑顔であいまいに相槌をうち
「そーなんだよ~」
とやはりあいまいな笑顔でジェリアは返した。


人の恋路を眺めるのは好きだが、ここまで捻じれてくると黙って眺めてるのも気持ち悪い。
ジェリアと会話したその足で冒険者ギルドに向かった。


大剣を背負った青年に「好きな女の子は誰?」と言ったところでとんちんかんな回答でうやむやにするだろうから、多少ひねって聞いてみた。
「キルベルト、目下最大のライバルは誰?」
我ながら誘導尋問だとは思うが、友のためだ。
「やっぱりジェリアだな、いくら闘っても勝てねえ。女に負けるなんて情けなさすぎるぜ」
予想通り。

「いつか勝ちたい?」
「あぁ! どんな手をつかってでも……!」
「いやいや、正々堂々と戦いなさいよ、インチキなしで」
流石にそこは突っ込むと「けどアイツ強いからなぁ…」としょげた。
というか鈍速攻撃力防御力重視のキルベルトだと、速度重視一撃必殺防御力薄弱のジェリアに対して相性が悪いのだ。
ジェリアが勝つのは当然である。

「どーにかして勝ちてえ……」
呻いてるところに
「一番気になる?」
ここだ、誘導でも何でも、言わせたかったのは。

「あぁ」

よかった、言わせることができた、とこっそり息をつく。
かなり本気で誘導尋問だが、まだまだ誘導する気満々だ。
「でもさーキルベルト」
んーんっ、と何気ないふりで伸びをする。何気なさを装うのがポイントだ。
「あ?」
「ジェリア、女の子だからね」
「――――え」
ぴた、と表情が止まった。手ごたえアリ。
「確かに強いけど、心細い時とか、泣きそうなときだってあるんだから、気をつかってあげてね」
じっと目を見て言うと、固まった表情のまま「お、おう」と答えた。


 ※


ジェリアは同性ではアニーと図書館のメルディアが好きな様子。
異性だと1番上位にいるのはキルベルトらしい。
そのキルベルトはおそらくアニーが好きだが、ジェリアの方へ好意が向くように誘導しておいた。
うまくいってくれると良いが……


 ※


「ハラ、減ったぁあ……」
「あらビュウ」
長らく見ていなかった気のする少年――おおかたまた迷子だったのだろう――は「おぉっリーズ!」と助かったとばかりに近寄ってくる。
「なぁっ、なんか食いモン持ってねぇ!?」
「あるけどいくら出す?」
キラキラ期待で輝いていた顔が途端にしょぼくれた。
「じゃあいい……アニーにでも頼むわ」
ん・そうしなよと言いかけて「待って」と言いなおした。
「奢ってあげるわ」
「え・マジで!?」
くらいついてきたビュウに「ただし!」と手で『マテ』のポーズをとる。
「こっちの質問に正直に答えてね。答えられなくなったらそこで終了」
ウィンクしながらの注文に彼にしては珍しく尻ごみしつつ「わかった」と慎重に答えた。


「好きなやつぅ!?」
あが、と口を大きく開けたのに、手にしたカントホルツを食べることも忘れてビュウは言った。
「そー、今みんなに聞いてまわっててね。何人に聞いたっけ、えっと……」
ひぃふぅみぃと指おり数えていると「――なぁ」とおずおずと声をかけられた。
「フィズの好きなヤツって、誰だ?」
「――へ?」
え、何、両想いなの?
びっくりしてる間に、少年は焦りを隠せない様子で続ける。
「やっぱり、アニーなのか…!?」
「う・うん、そうねぇ。やっぱりアニーが大好きみたいよ」
嘘は言ってない、嘘は。
フィズが一番気にしてる異性の名を言っていないだけだ。
みるみるうちに眉を八の字にし、深い深いため息をついた。
「やっぱ……そうかあぁ……」
アニーが最大のライバルかぁ、同性への憧れって異性には太刀打ちできない強さがあるんだよなぁ……とぶつぶつ言ってる姿を見れば自分でなくても気づくだろう。
「ビュウはフィズが好きなんだ?」
「うんそー」
あっさり肯定されて拍子抜けした。
思春期らしくもうちょっと否定したりごまかしたり抵抗するかと思ったが。
いやしかし素直に認めるのもまたビュウらしいかもしれない。
ツンデレ天の邪鬼のフィズとは凸凹コンビでお似合いだ。

「色々さ、アプローチしてるんだぜ、これでも。
その服可愛い、似合ってる、とか。
長いこと迷子になってた時には花とか持って行って『ただいま』を言いに行ったり。
何か装飾品を贈る時は『フィズの魅力にはかなわないけど』とか言ったり。
星のきれいな夜には『今日の夜空はフィズの目と同じ色だな、キラキラしてる』って言ったり……」
それから、とまだまだ続きそうな気配にリーズは呆れた。
しかもいちいちふきだしてしまいそうな程くさすぎる言動ばかりだ。
フィズの気持ちを知ってる身としてはこんな気持ちだった。
まるでノロケじゃない、いつまで続くの? 勘弁して……


 ※


ビュウはフィズが好きな様子。
フィズもビュウが好きだと前述したが、これはビュウの猛アタックによるものという可能性が高い。
いずれ恋人同士になるだろう。


さて、最後に『アニーを中心とした』と言う以上は欠かせない人物と、その想いの先を書こう。
セラ島リゾート開発の実行委員で、アニーの担当補佐役のハンス。
彼が好きなのは――――


 ※ 


「ハンスはアニーが大好きなのよね」
返事のかわりに派手にむせた。
紅茶を飲むタイミングを見はからった甲斐があるというものだ。
「な・何ですか、やぶから棒に」
「うん、今ね、いろんな人の好きな人を調べてるの。もう6人に聞いたわ」
ハンスで最後、というと頭痛をこらえるような仕草をした。
「物好きですね、リーズさん……」
「あら、恋愛話は女の子の好物よ? 物好きなんて失礼しちゃうわ」
とがめるように反論するとより一層肩を落とした。
口で勝てるわけがない、とでも思ってるのかもしれない。
「……確認のような質問ならわざわざしなくてもいいじゃないですか……」
疲れ切った声に言い訳する。

「まぁ念のためってヤツよ。心変わりしてる可能性もあるわけだし」
「それはありません」

あまりにもサラッと言われたので反応が遅れた。
「ハンス……今のはもしかしてノロケ?」
恐る恐る確認をとるとハッと息をのみ、首まで赤く染まった。
「そっそそそそそんなつもりではっ、け、けけけけけ決してッ!!」
「うんまー、そーだろうとは思ったけど」
ケーキをつつきながら言うとがっくり脱力した。
もうやめてくださいよとか何とか聞こえてくる。
ちょっとからかいすぎたかなと反省してごめんごめん、と苦笑いした。

「おわびにいいこと教えてあげるわよ」
「いいこと?」
オウム返しのハンスに
「アニーには1番最初に『好きな人いる?』って聞いたんだけどね……」
続けようとすると「それなら予想つきますよ」と遮られた。
「『たくさんいるよ』でしょう?」
自分で言って落ち込んだのか、ため息をついた。
「うん、まーそうだけど……」
言葉を濁しつつ、詳細はハンスの予想とは違うであろうアニーの反応を思い出した。



「好きな人? いるよー」
無邪気な反応にあぁやっぱりな~と思いつつ一応確認。
「誰か聞いてもいい?」
「うん! あのね、
まずリーズ姉さんでしょ、ハンスでしょ、ぺぺでしょ。
フィズにジェリアにキルベルトにカイルにビュウ。
アマリリスさんにヤコブじい、ブリギットさんにメルディア。
団長さんにダニエル、おじーちゃん、パパ、ママ。
クララさんアルブレヒトさん、ミュラーさん。
あと人じゃあないけどラピン! ……ってぺぺも妖精さんだから、人じゃないか。アハハ」
多いだろうとは思っていたが予想の倍は挙げられた人物名に目を白黒させる。
いくらなんでも多すぎないか。

しかし……
「ちょっと多いよ、アニー」
口ではたしなめつつ、アニー本人も気づいていない、無意識の発言に注目していた。
「多いかなぁ?」
「うん」
「でもみんな好きなんだよー?」
自分の名が一番最初に出たのは、目の前にいたからだろう。しかし……



――二番目に出てきた名前がハンスってところに意味があると思うのよねぇ……
そう思ったが口には出さず、この二人に対してはもう少し傍観者を気取っていようかと考えた。


 ※ ※ ※


――彼が好きなのはアニー。
アニーの方からもハンスは上位に入っており、あとはハンスのガッツ次第だと思われるが……


 ※ ※ ※


「そういえばペペに聞き損ねたわねぇ」
うっかりミスにしまった、と思いながら最後の一文をつけてレポートを締めくくる。


『先は、長そうである。』






────────────
この、世界観を丸つかみしたレポート!
読んでるだけで、まるでその世界にいるみたいな。ウキウキワクワクしてきます><
ハンスの即答に萌える。アニーのことわかっちゃってる感じに萌える。何度読んでも萌える……!

瀬名さま、楽しくも萌えアリの素敵なSSを、ありがとうございました!!


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  Name : 光太朗。
  性別女、またの名を光太朗子。
  『アニーのアトリエ』ハマり中。

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