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『酔っぱらい』

さっき伽砂杜さまからのいただきものをアップしたばかりですが、時を同じくして私もレストランネタを書いていたという。内容はカブってないんですが。
レストランはいろんなイベントが起こっておもしろいです。
アニーとハンスが一緒にランチしちゃうイベントとかすごい好きーーー!!!
どんなでも萌える!! いちいち萌える! ハンアニ!!!!

実はゲームEDコンプしてないです。
フィギュア&ドラマCD付きで買って、もちろん攻略本まで持ってるっていう気合いの入れようなのに。ゲームしようよ。
プレイするより二次創作にハマってしまった……間違ってる……。





*****





『酔っぱらい』


「……で、今度はどういった悪巧みですか」

 日が暮れた後のレストラン。
 真っ赤な顔をして酔いつぶれるアニーと、困ったような顔のリーズ。その隣で、怒り心頭のフィズ。
 現場を目撃した段階で、回れ右しようかとも思ったのだが、結局ハンスはテーブルまで来ていた。

 リーズはてへへと笑う。
「や、悪巧みなんて人聞きが悪いなあ。真打ち登場までに、ちょっとアルコール入れとこうと思っただけなんだけど……って、あれ? あたしとも普通に話してくれるの?」
「い、いや……か、からかわないでください!」
 巧みに話題をすり替えようとするリーズにハンスは顔を赤くする。しかしこのままでは思うツボだと、急いで論点を元に戻した。
「どう見ても酔いつぶれてるじゃないですか……一体、どれだけ飲ませたらこんなことに」
「いやいや、そんなに飲んでないよ? ──たぶん」
「あたしはダメっていったでしょ! アニーお姉ちゃん、ジュースだと思って飲んじゃうし……もう! お薬もらってくる!」
 憤然と床を蹴りつけるようにして、フィズが奥へと姿を消す。ハンスの隣をすり抜ける際、しっかりと一瞥も忘れずに。まるで悪者になったようで、ハンスは肩を落とした。この場合、自分はどちらかといえば被害者なはずだ。

「あたしの計画としてはね、ハンスが来るころにはアニーがほどよく酔っぱらってて、ふだんとは違う甘えた姿でハンスに迫って、ハンスたじたじ、見てるあたしは心底楽しい、みたいな展開を……」
「────!!!!?」
「や、想像で赤面されても」
「だ、だれが赤面してるんですか!」
 事実ハンスは真っ赤な顔をしていたが、ほとんど条件反射で反論する。やっぱり悪巧みだったんじゃないか、と胸中で確信するが、それを口に出す勇気はない。みんなで食事でもどう? ──などと時刻を指定された時点で、嫌な予感はしていたのだ。

 とはいえ、彼女の悪巧みは、見事に失敗しているようだった。
 アニーがあっさりと酔いつぶれるまでは、計画通りだったのだとして──アニーの様子がどうやらいつもと違うのも、計画通り、なのだとして。
「リーズねえさぁぁん」
 アニーは確かに、「甘えた姿」になっていた。
 全力で、リーズに対して。
「ハイハイ、もーこの子は。ほら、ハンス来たよ?」
「リーズ姉さん、帰るなんていわないで~~」
「わかってるから」
 リーズにしがみつくように甘えるアニーと、それをなだめるリーズ。
「……帰っていいですか?」
「ちょっ、なにいってんの! この状態で放っとかれても困るんだけど!」
 それこそ自業自得だろう、とハンスは嘆息する。

 やがて奥から戻ってきたフィズが、水を跳ねさせながらコップを突き出し、白い錠剤を二錠、アニーに手渡した。
「アニーお姉ちゃん、早くコレを飲んで、です!」
「フィズありがとうぅー大好きーー!」
 大げさに感動して、それが何なのかも聞かず、アニーはあっさりと口に入れた。ステキなノドゴシ、とわけのわからない感想まで。
「帰って、いいですか?」
 黙って帰ってしまってもいいのだが、とりあえず、ハンスはもう一度繰り返してみる。
 リーズは、両の手のひらを顔の前で合わせると、拝むように懇願した。
「あのね、ほんっとーーーにもうしわけないな、とは思うんだけど、アニーをアトリエに帰さないと、ぺぺが心配するでしょ? でもこの子、一人で帰すのは心配だし、そうなったらやっぱりオトコのコがいたほうがいいし……ハンスに頼んでいい?」
「────!」
 ハンスは返答に詰まった。
 これがいつものニヤニヤ顔なら、断っていたかも知れない──しかしリーズは、心底もうしわけなさそうな顔をしていた。
 平和に酔いつぶれるアニーを、見下ろす。
 確かに、このまま放っておくわけにもいかない。
「………………………………わかりました」
 数秒の無言の抵抗の後、しぶしぶ、ハンスは承諾した。






 繋ぐ手の向こうに、フラフラと歩くアニー。
 だいじょうぶだいじょうぶ、あたし一人で帰れるよー──などといっていたが、一人で帰さなくて良かったと、心からハンスは思う。
 まっすぐ歩いていない。
 静かなリヒターゼンの夜を、まるで歌うように、あちらこちらへとよろめきながら、どこか楽しそうに歩くアニー。
「まったく、君は本当に、考えが足りないな。もう酒なんか飲むなよ、アニー」
 怒った声で告げると、うんうん、と二つ返事が返ってきた。
「飲まないよー、飲んでないもんー。あはは、ハンス、なんで二人いるのー?」
「…………」
 会話するのを諦めた。酔っぱらいには、何を言っても無駄だ。

「ほしー、と、つきーー!」
 そのまま後ろに倒れそうな勢いで空を見上げ、アニーが楽しそうにいう。ハイハイ、と流して、もう早くアトリエに着いてしまいたいと、ハンスは足早にアニーを引っ張っていく。
「ハンスも、さあ」
 唐突に、きゅ、と手を引くようにして、アニーが立ち止まった。
「……?」
 いぶかしげに眉をひそめながら、ハンスも足を止める。彼女の顔を正面から見てしまったことを、瞬時に後悔した。
 紅潮した頬、潤んだ瞳。
 漏れる吐息の熱さまで、この距離では、わかってしまう。
「な、なんだ?」
 思わずどもった。アニーは、両手でハンスの手をつかむと、潤んだ目のままで、ハンスを見上げた。
「いなくなっちゃうなんて、いわないでね?」

 それは表現しがたいほどの破壊力を持っていて、ハンスは頭がくらくらと麻痺していくのを感じた。
 それでも、繋いだ手のぬくもりに頼るようにして、どうにかうなずく。
「ああ、行かない」
「うん! 合格ー!」
 一体なにが合格だというのか、アニーは花が咲いたように笑う。今度はハンスの手を引くようにして、ずんずん歩いていく。
 できるだけ思考を凍結させようと努めながら、ハンスはおとなしくついて歩いた。このまま、しばらくはアトリエにたどり着かなくてもいいかもしれない──そんなことを思ったとたん、目の前にはアトリエの扉。
 現実とは、こういうものだ。
 ぺぺが待っているのだから、カギは開いているのだろう。アニーが自分から開ける様子はなかったので、嘆息しつつもノックをし、扉を開ける。
 
 すぐ見える範囲に、ぺぺの姿はなかった。灯りはついているのだから、どこかにはいるはずだ。
「ほら、アニー。着いたぞ」
 しかし、返事がない。
 促すつもりで手を引くと、ぬくもりがそのまま、胸に飛び込んできた。
「──! あ、アニー!?」
 全身の力を抜いたのだとわかる重みに、ハンスはすぐに察する。着いたところで気が抜けたのか、アニーはすっかり寝入ってしまっていた。ベッドと勘違いしているわけでもないだろうが、立っていられないのだろう、ささやかな寝息をたて、体重を預けてくる。
「ちょ……もうすぐだから! 起きろ! アニー!」
「うんうん、だいじょうぶー……」
 帰ってきたのはほとんど寝言に違いなかった。逡巡したものの、仕方がないので、アニーを抱きかかえるようにして、ずるずるとベッドまで移動する。
 
 あと少し、というところで、足がもつれた。
 アニーを抱えたまま、ハンスは、ベッドに倒れ込んでしまった。
 正確には、ベッドに、ですらない。ベッドそのものにもたれるようにして、尻餅をついた下は、冷たい床だ。
 しがみつくように、上には、眠るアニー。
 顔が近い。
 服を隔てているとはいえ、体温を直に感じ、ハンスの心臓が跳ねていく。もしかしてこれは夢だろうか、もしくはなにかの罠か、などと、混乱した頭で馬鹿なことを考える。

「ハンスぅ」
 アニーの寝言に、思考がショートした。
 寝言だ、他意はない、彼女にとって、自分もリーズもフィズもだれだって、同等の存在だ──頭のほんの隅っこで、冷静なハンスが淡々と告げてくる。しかし、そんな言葉に耳を傾けている余裕はなかった。
「アニー」
 行き場のなかった両手を、持ち上げる。


「──遅かったなー」
 ひょっこりと、緑色の服の小さな妖精が、ハンスの目の前に顔を出した。
「…………!」
 ハンスは絶句した。
 もう、絶句するしかなかった。
 ギシリ、とそのまま固まる。
「あーあー、しょうがねーな。おいアニー、起きろー! ハンス困ってんぞー!」
 アニーの耳元で、ぺぺが叫ぶ。アニーはハンスの胸元に頬を押しつけ、
「もう食べられないよー」
 模範的な寝言を返した。
「ダメだな。じゃ、オイラ、寝るから。ハンス、てきとうに頼むわ」
 そういって、ぺぺはヨイショとベッドの上に登った。ハンモックに飛び乗るようにして寝転がり、毛布をかぶると、そのまま本当に眠ってしまう。

 夜が更けていく。
 聞こえるのは、規則正しい二つの寝息。
「た、頼むって、いわれても…………」
 ぬくもりをはねのけることもできず、ハンスはただ、絶望的なうめき声をもらした。








────────────
まるでハンスを執拗にいじめているみたいだ……ッ
で、でもかわいそうなアナタが大好きで!!
酒、ならギルドかなあと思いながらも、あそこは冒険者の集う場所という感じなので、ここはレストランで。酒場がないっていうのはちょっと寂しいような気もする。


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  Name : 光太朗。
  性別女、またの名を光太朗子。
  『アニーのアトリエ』ハマり中。

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