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MISSING 5

続いてます。
もうちょっと明かされます(もーいいって!






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『MISSING』 5



「これは、ピーンチだよねー」
「やばいわね。このままじゃ、持ってかれるわ」
「アニーお姉ちゃんに、馴れ馴れしい……!」
 ジェリアとリーズ、フィズの三人は、アトリエのテーブルを囲んでいた。カイルとキルベルト、ビュウもいたのだが、ハンスを呼んでくるといってアトリエを出て行ったままだ。
 三人の視線の先には、アニーと、コルトという名の青年。ハンスが回復するまでの臨時担当委員ということだったが、それにしても毎日アトリエに通って来ている。これで三日目だ。
「目! あの目……! 絶対アニーお姉ちゃんを狙ってる……!」
 フィズの目が怒りに燃えている。リーズが肩をすくめた。
「なんかちょっと、ねえ。まあ、アニーが気づく様子はなさそうだけど」
 コルトは先ほどから、錬金術のこと、それ以外のこと、ほとんど他愛のない世間話まで、積極的に話題を提供していた。相手が不快にならない程度にさりげなく、アニーとの距離も近い。アニーもおしゃべりが苦手なわけではないので、はたから見ているとずいぶん楽しそうに見える。意気投合、といってもいいかもしれない。
「うーん、でもおっかしいなー。コルトくんといえば、ハンスファンクラブの会員だったような気がするけど」
 興味津々、といった目で凝視しつつ、ジェリアが漏らす。
「そうなの? ていうか、ジェリア、コルトのこと知ってるの?」
「うーん、本部で見かけることがあるぐらい。最初からいたんじゃなくて、わりと最近こっちに来て……また近々帰る? みたいな話を聞いたかなー。ハンス先輩に会えて嬉しいです、とか感動の再会してたよ」
 ジェリアの説明に、リーズは眉根を寄せた。
「じゃあ、アニー狙いってわけじゃない……?」
「なんでもいいから、さっさと離れなさいよーっ!」
 フィズはもう、まるで二人の話を聞いていない。ただギリギリと嫉妬するばかりだ。ほかでもないアニーが楽しそうにしている以上、さすがに食ってかかるのはためらわれるのだろう。

「ダメだな! 不発だ!」
 ノックもなく、キルベルトがドアを開け放った。カイルとビュウも後に続く。共に来るはずだったハンスの姿はない。
「どーせ、用がないとかもう関係ないとかいってたんでしょ」
 アニーが唇を尖らせる。呼びに行くと聞いて落ち着かない思いをしていたのだ。落胆しているわけではないと自分にいい聞かせ、その分、妙な怒りがわいた。
「いや、体調が悪いみたいだね。とってもいいにくいんだけど、原因は薬の飲み過ぎ」
「え」
 あっさりと答えたカイルに、アニーは固まった。恐る恐る、リーズを見る。
「あれー」
 リーズもアニーを見る。それから、ごまかすような苦笑い。
 二人とも、その可能性を考えなかったわけではないのだが、さすがにそれはないだろうと踏んでいたのだ。
「念のため、ちがうだろうなと思いながら聞くけど、薬って……」
「『折角の好意を無駄にするわけにはいかないと思って』、ぜんぶ飲んだらしいぜ。アニーたちが持ってったっていう薬。一度にぜんぶ」
 前半はハンスの真似なのだろう、生真面目な顔をして、ビュウがいう。呆れたように肩をすくめた。
「バカだろっていったら、答えなかったけどな」
 ということは、恐らく自覚があるのだろう。
「ど、どうしよう、リーズ姉さんー!」
「んん、まあ、生きてるってんならとりあえずだいじょうぶ……なんじゃないかな。テラフラムは試してないだろうし。身体に悪い成分は入ってないような気がするし」
「そんなカンタンな!」
 薬といえど、分量や飲み合わせを間違えれば、身体に悪影響を及ぼすのは常識だ。用法用量についての注意をいわなかったのがいけないのだろうかと、アニーは腕を組む。ハンスはいったいどういうつもりで、そんなむちゃな飲み方をしたのだろう。
「ひょっとして、記憶障害だけじゃなくて、バカになっちゃったとか」
 真剣に、そんな可能性を考える。話を聞いていたコルトが、アニーの肩に手を置いた。
「僕も心配だし、今日先輩の様子を見てきますよ。なんなら、一緒に行きますか?」
「一緒に」
 アニーは複雑な顔をした。それはいまのアニーにとって、非常にデリケートで難しい問題だ。いったい何をしに来たのかといわれてしまったら、立ち直れないような気がする。
「それよりもね、コルト・ルーベル君。ハンスのこと先輩っていってるけど、二人はどういう関係なのかな?」
 脈絡なく眼鏡を光らせ、カイルがそんな質問をする。コルトは何を聞かれているのかわからないというように、目を丸くした。
「え、だから、先輩と後輩ですよ。本土にいるときに、たくさんお世話になったんです。ハンス先輩はかっこよくてなんでもできて、僕の憧れです……!」
 ごくマジメに、答える。表情がきらきら輝いてさえいた。
「そうだったんだ。ハンスってファン多いよねー」
 呆れ半分で、アニーがつぶやく。どこがいいのだろう、と考えた。あの女性のような綺麗な顔だろうか。それともまさか、生真面目さか。
「ふうむ……それは、おかしいね」
「コルトなんて知らないっつってたぞ。顔真っ赤にして、し、し、知らない! コルトなんて知らないわ!」
 カイルがつぶやき、勝手に茶と菓子に手をつけ始めたキルベルトがそう補足する。本当にハンスがそういったわけではないだろうが、顔を赤くする様子はなんとなく想像できて、アニーはさりげなくコルトから距離をとった。
「えー、どういう関係?」
「いや、あの……先輩が、本当にそういったんですか?」
 キルベルト、カイル、と順に視線をさまよわせ、コルトは結局ビュウを見た。一応一番まともだと判断したのだろうか。
 ビュウがうなずく。
「いってた、いってた。全然知らない、っていう反応じゃなかったけどなー、でも知らねえって」
「えー、知り合いだよねー? アニーだけじゃなくて、コルトくんのことも忘れちゃったとか?」 
 ジェリアが身を乗り出して、リーズが眉をひそめる。
「ケガしたときに強く考えていた人のこと忘れちゃうって話だったはずでしょ。おかしいじゃない」
「ケガのとき、一緒にいなかったのに?」
 フィズも不思議そうだ。それぞれ考えに考えて、同じ結論に達する。
「……どういう関係?」
 そうして、全員がコルトから距離を取った。






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遅々としていて申し訳ないです。
あと2、3話かな……(って前も言った!

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  Name : 光太朗。
  性別女、またの名を光太朗子。
  『アニーのアトリエ』ハマり中。

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