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『その男、要注意』

一週目クリアしたことだし、ということで書いてみました初リナアトSSです。
リュオ→リナ(っていうのか? リューリナ?)かつ、キースも登場。
キャラ違うやんけとかあったらごめんなさい。

ところで私はドラマCDを持っていないのです……聴きたい……だれか送ってくだ(ムチャなっ。





*****





『その男、要注意』



「じゃ、行ってきまーす」
 快晴の妖精の森に、元気、というよりも脳天気な声が響き渡った。
 声の主はリーナだ。いつも笑顔を絶やさない、太陽のような少女。手を振られた妖精たちは、行ってらっしゃい、がんばってねと、やはり笑顔で見送っている。
 しかし、リーナの声を聞きつけたリュオンは、それどころではなかった。格闘していたくず木を放り出して、急いで馬車まで駆け寄る。直前まできて、急いでなんかいないといわんばかりに、足をゆるめた。
「……どこに行くんだよ」
 まるでケンカを売るような声になる。しかし意に介した様子はなく、リーナはにこにこと答えた。
「どこって。フェルゼンだよー。武器の買い付けに行くの」
「…………」
 その言葉に、リュオンの眉間のしわが一層深くなった。よりによってフェルゼン。ほかの町ならともかく。
 最近リーナは、フェルゼンへ行くことが多い。武器の売買が金になるということらしいのだが、リュオンにしてみれば、そんなことは問題ではない。
 問題は、あの町にいる男だ。なにを考えているかわからない──しかし一点については間違いない、リーナになれなれしいあの男。
「リューったら、わざわざお見送りなんていいのに。律儀だなあ」
 リュオンの胸中など知るわけもなく、リーナが的外れなことをいう。リュオンは思わず、そっぽを向いた。
「…………も行く」
「え?」
「おれも行く。フェルゼンだろ、おれも用があるんだよ」
 リーナが大きな目をまたたかせた。リュオンはいらいらと腕を組む。
「なんだよ、なんか問題あるか?」
「ないけど……用って?」
 普段なにも考えてないくせに、こういうときだけつっこんでくる──リュオンは眉値を寄せた。
「なんでもいいだろ! た、たいした用じゃ、ねえよ」
「えー? なにそれ? でも嬉しいな、一緒に行くのも楽しいよね。じゃ、乗って乗って!」
 こういうところだ。こういうところが、問題なのだ。きっと相手がリュオンではなくても、こういう物言いをするに違いない──リュオンは思わずゆるんでしまった頬を瞬時に引き締めた。おお、とうなずいて、馬車に乗る。
 リーナの馬車は、軽快にフェルゼンへの道を進み始めた。



   *



「やあリーナちゃん! 嬉しいな、ボクに会いに来てくれたの?」
 フェルゼンに到着するやいなや、その男は出現した。
 見習い鍛冶のキース。元盗賊団の頭領で、リーナを誘拐したこともあるというとんでもない経歴を持つ男だ。
 それなりに楽しかった馬車での二人旅が終結し、瞬時にリュオンは不機嫌ど真ん中になる。ついてきて良かった、とは思うものの、その安堵はなんの意味ももたらさなかった。
 リュオンの中では、いまのところ、キースが最大級要注意人物なのだ。
「キースってば、相変わらずだなあ。武器の買い付けだよ。お仕事、お仕事!」
 馬車を鍛冶屋の前に停めて、リーナはさらりと返した。これだけ相手にされていないのだから、引き下がっても良さそうなものなのに、キースは満面の笑みを浮かべてみせる。
「鍛冶屋に用ってこと? じゃ、やっぱりボクに会いに来てくれたんだ。嬉しいなあ、こうやって訪ねてきてくれるって、もうあれだよね、完全に友達だよね」
「もー、ちがうってば。キースってほんと、なに考えてるかわかんない」
「え、わかんないの? おかしいなあ」
 これだけあからさまなアプローチも、完全に流されている。そもそもリーナには届いていないのだろう。
 しかし、キースはそれだけでは終わらなかった。
「ボクはいつだって、リーナちゃんのことばっかり考えてるんだけどな」
 これは直球だった。リュオンはすかさずリーナを見る。顔を赤らめでもしていたら大事件だ。
 しかしリーナは、げんなりとしてため息をついただけだった。
「……またそういうこという……からかってるでしょ」
「あれ、リーナちゃんをからかうのは好きだけど、いまのは本気だよ?」
 キースの言葉には甘い響きというものはほとんど含まれていないが、それでも肩すかしには違いない。ざまあみろ、という気持ちでリュオンはキースを見たが、彼の目が真剣な色を帯びてリーナを見つめていることに、どきりとした。
 見たことのない目だ。そんな目を、リーナが気づいていないときにだけ、しているのだろうか。
「おい、仕事だろ。さっさと行くぞ」
 リュオンは思わずリーナの手を引いた。
「あ、そうそう。じゃあキース、またね」
 その何気ないやりとりにむっとする。別れ際にキースをにらみつけてやると、彼はふと不思議そうな顔をした。
「そういえば、ときどきリーナちゃんと一緒にいる気がするキミは、いったいダレ?」
「──なっ」
 だれ、ときた。リュオンはキースに向き直った。しかも、一緒にいる気がする、程度の認識だ。こっちはこれだけ警戒しているというのに。
「そっか、面識なかったっけ。リューだよ、幼なじみなの。あたしと一緒に、妖精の森で暮らしてるんだ」
「へえ、幼なじみクンか」
「……リュオンだ」
 名乗るのも癪だが、間違ってリューと呼ばれでもしたらたまらない。リュオンは低い声で名乗って、すぐにそっぽを向いた。
「ボクはキース。リーナちゃんとは知り合い以上友達未満ってとこ。でもいまに、立派な友達になってみせるけどね!」
 なんだそれ、とつっこむ気にもならない。これだけなれなれしくしておいて、友達でもないということらしい。 
「けど、いいなあ、幼なじみかあ。うん、それっていいよね。ねえリーナちゃん、ボクと幼なじみになろうか?」
「ええ?」
「はっ?」
 これには、リーナとリュオンの声が重なった。幼なじみなど、なろうと思ってなれるものではないはずだ。
「なにいってるの、キース?」
「だって、幼なじみってあれだよね。小さいころはいっしょにお風呂入って、一緒に寝て……ってそういう関係だよね?」
 キースの表情はごく真剣だ。幼なじみイコールそれなのか、と思いはするものの、否定することもできない。リュオンは言葉に詰まる。
「ボクもリーナちゃんと、一緒にお風呂入ったり寝たりしたいよ。それって、おもしろそう」
「──バカか! リーナはおれの幼なじみだ! 部外者は引っ込んでろ!」
 リアルに想像してしまって、声が大きくなってしまった。自分でも驚いたが、リーナやキースはその比ではないらしい。目を丸くしている。
「リュー……! あたしと幼なじみだってこと、そんなに嬉しく思ってくれてたの?」
 きらきらと目を輝かせるリーナの感想は、やはりあと一歩のところでずれている。
 しかし、キースもまた、目を輝かせていた。すっとリュオンの手を取り、握りしめてくる。
「な、なんだよ」
「年下の子に、初対面でそんなふうに怒鳴られるのって、新鮮だね……!」
「うわ」
 率直に気持ち悪かった。ふりほどこうとするが、がっしりとつかまれ、離れない。
「よし、じゃあこうしよう! ボクと幼なじみクンが友達になれば、リーナちゃんとボクは幼なじみクンの友達ってことになって、えーと、いとこ……じゃなくてはとこ? またいとこ? わかんないけど、そんな感じに親密度がよりアップするのは間違いないよね。それを足がかりに、今度はリーナちゃんとしっかり友達に……」
「おまえ、いい加減にしろよ!」
「そうだよ、あたしとリュオンはいとこじゃないよ?」
 二人に責め立てられ、キースはやっと手を離した。いい考えだと思ったのに、と肩をすくめる。
「……だめだ、こいつとつきあってると脳が腐る。行くぞ、リーナ」
 リュオンはさっさと鍛冶屋に入った。ほんの少しの賭だったのだが、待ってよーといいながら、リーナもすぐについてくる。
 それだけで優越感だ。ぽっと出の変人なんかに、負けているわけにはいかない。



「ったく。ついてきて良かった。なんなんだあの男は……」
 ぶつぶつと毒づいていると、聞こえないと思っていたのに、買い付けを終えたらしいリーナが聞きつけてきた。 
「なあんだ、用ってキースに会うことだったの? じゃあ、友達になろうって、いえばよかったのに」
 裏などない。まったく本気で心からそう思っている──そういう顔でいわれ、リュオンは肩を落とす。
「……そんなわけねえだろ……」
「え、じゃあ、結局用ってなに? あたしのは、もう終わったよ?」
 まさかここで、蒸し返されるとは思わなかった。
 おまえに変な虫がつかないようにすることだよ──と、そんなことがいえるはずもない。
 リーナがじっと見つめてくるので、咳払いをする。あさっての方向を見て、苦し紛れにつぶやいた。
「……忘れた」
「ええー? ここまで来たのに?」
 もっともだ。それはもっともな意見だ。しかし、いってしまった以上、それで押し通すしかなかった。
「いいだろっ、忘れたつったら忘れたんだよ! だから次からも、フェルゼンに来るときにはおれを誘えよ。いつ思い出すかわかんねえからなっ」
 あまりにも苦しい。そんなことは深く自覚していたが、こういうよりほかにない。
 リーナは小首を傾げていたが、そのうちにうなずいた。その顔が、照れたような笑みになる。
「じゃあ、これからはフェルゼンに来るのが、ちょっと楽しいね?」
「…………っ」
 そういうところが、問題なのだ──思いつつも、顔が赤らむのをどうしようもできないリュオンだった。
  
 

 




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こんなもんしか書けず……むむぅー。
今後も書くかどうかはわかんないです。
読んでくださってありがとうございました><


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  性別女、またの名を光太朗子。
  『アニーのアトリエ』ハマり中。

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