FC2ブログ

『僕は、君を』

今回は、柿トロさまから提供していただいたネタで、SSです!
拍手コメントいただいて歓喜、さらにネタもらって萌えまくり、妄想幸せ堪能し、自分で書いてまた楽しい。なにこのオイシサ!!

柿トロさま、ありがとうございます──!!





*****




『僕は、君を』


「ハーンス!」
「うわっ!」
 予期せずかけられた声に、ハンスは思わずびくりとしてしまった。
 すぐに、ここが図書館であることを思い出し、ごまかすように咳払いをする。
 隣を見ると、アニーが目を丸くして立っていた。
「なんでそんな驚くの。人をゴーストみたいに」
「げ、幻聴かと思ったんだ……ちょうど君の……──あ、いや、なんでもないんだが」
 自分でも不自然だと思いながら、ごにょごにょとごまかす。
 まさか、ちょうど君のことを考えていた、などといえるはずもない。

 しかし、アニーには気にする様子はなかった。ハンスの手にした本を、目を輝かせながらのぞき込んでくる。
「ね、なに読んでんの、おもしろいの?」
 なにを期待したのか、椅子を引いて隣に座ってきたアニーに、ハンスは呆れて本を差し出した。
「おもしろい、ものではないだろうな。僕は勉強中だ。今度、東方から客人が来ることになっているから、言語の復習を、ちょっとな」
「うぇー」
 唇を曲げて、実に失礼な反応を返してくる。
 恐らくアニーには、ハンスの見ていた書物の1パーセントも理解できないだろう。そもそも、違う土地の言語で書かれた本だ。
「君は、どうしてここに? 勉強しに、というわけではないだろう?」
「なんで確定なの。違うけどさ」
 おもしろくなさそうに、アニーが唇を尖らせる。その姿をうっかりカワイイと思ってしまいつつも、ハンスは視線を逸らした。
「本部に行ったらさ、ハンスは図書館だっていうから」
 ハンスの動きが、ほんの一瞬停止した。
 慌てて平静を装う。
「僕になにか?」
「なんにもだよー。なによ、ハンスはあたしに会いたくないのー?」
 ハンスの鼓動が、これでもかと早まっていく。ばっくんばっくんと、いまにも飛び出しそうだ。

 考えるな、深い意味はない、考えるな、深い意味はない──呪文のように胸中で唱えながら、恐らく核心に違いないであろう予測を口にする。
「また、失敗でもしたのか?」
「あは、バレた。ちょっとぺぺから逃走中」
「…………」
 わかっていたのに、脱力した。大きなため息で、どうにか平常心を取り戻す。
 
「ねえねえハンス、ここに書いてあるの、ハンス読めるの?」
 もちろん、ハンスが意気消沈していることに気づくようなアニーではない。あっさりと話題を戻してくる。
 もう慣れたものなので、ハンスもそのまま返した。
「そりゃあ、読めなきゃ、こうして開いてないな」
「へー! すごいねえ。なんだかんだいって、ハンスはできるオトコだよねえ」
「……なんだかんだって、なんだ」
 ほんのりとバカにされているとも思う。けれど、アニーがあんまり楽しそうな顔をしているので、それで良しという気になってきた。

「ハンス、ちょっとこの……東方語? でさ、なんかしゃべってみてよ。そんなの聞けるチャンスって、なかなかないよね!」
 ハンスは今度こそ呆れて、息をついた。
「なんか、って。そんなことをいわれても、なにをいえばいいんだ」
「マジメだなあ、なんだっていいよ。だいじょうぶ! なにいわれても、どーせ意味わかんないから!」
「大丈夫なのか、それは」
 ハンスは苦笑する。が、内心ではほんの少し、ドキリとしていた。

 まさに、アニーに声をかけられる直前、口のなかでつぶやいた言葉があった。
 アニーのいうとおり、どうせ、伝わりはしないだろう。
 それでも。
「我……喜歡称」
「へ? なになに?」
 アニーが身を乗り出してくる。
 アニーの目を見つめ、ハンスは続けた。
「對於我需要称。我、愛称」
 おお~、とアニーが感嘆する。
 十割、意味は伝わっていない。
 それでも、ハンスは聞いてみた。
「……わかったか?」
「うんうん! なんかスゴイって感じした!」
 ハンスはほっと胸をなで下ろす。だが少しだけ、片隅に残念な気持ち。

「いまの、どういう意味だったの?」
 好奇心丸出しの顔で聞いてくるアニーに、ハンスは強い調子できっぱりといった。
「絶対に、教えない」
「え、なんで! なんかあたしのこといったんでしょ? 違うの? バカとかマヌケとか、そういうこと?」
「さあ、どうだろうな」
 ぶーぶーと不満を露わにするアニーに、ハンスは笑みをこぼした。
 伝えるのは、多分、もう少し先になるだろう。
 ──その時に勇気が出せるかどうかは、また別の問題として。


 君に会えて嬉しい。
 僕には君が必要だ。
 僕は、君を、愛しています──。 
 
 
 

「絶対、ムリだ」
 どう考えてもいえる気がせず、ハンスは仏頂面で呻いた。 







────────────
君たち、図書館ではお静かに!(笑
東方語で口説くハンス、というヘタレながらもオイシイネタを元に、こんなSSになりました。ネタ提供の柿トロさま、ありがとうございました!!

ネタがどんどこ湧くタイプではないので、「こんなのどーよ」というのがあったら、ください~教えてください~。うまくSSになるかどうかは私の技量問題ですが(汗、喜んで書きます!!

※「称」は本当は「你」なのですが、ケータイやパソによって表示されないので、代わりに「称」であてています。たぶん、「君」って意味です(多分って。




  TOP


Menu

  はじめに
  SS
  LONG
  頂き物
  小ネタ・バトン
  拍手レス・雑記



Gust

   ガストゲームズサポーターズリンク「マナケミア・アルトネリコ2」公式サイトはこちらへ!

Rank etc

   アトリエサーチ!
   (GC)GAMEHA.COM - ゲーム派ドットコム


Profile

  Name : 光太朗。
  性別女、またの名を光太朗子。
  『アニーのアトリエ』ハマり中。

  本家オジリナル小説サイト↓↓
  『光太朗小説処』へ


Links


→ Reset