FC2ブログ

『裸の王様』

ハンアニでもなんでもない、コメディなお話。
あかさとさまにいただいたイラストを元にしてます。あかさとさま、ありがとうございます──!!

次は甘いの書くんじゃなかったのかっ、とセルフツッコミ。あ、甘いのはそのうち……(ネタだけあっためてます。

ノリだけで書いていますので、苦手な方はご注意ください。







******






『裸の王様』


「よーう、かわいい姉ちゃん」
「ちょっとホットミルクしなーい」
 ハンスを探しに広場まで来てみれば、いつかのようにナンパされている現場に遭遇してしまった。
 あちゃー、とアニーは足を止める。相変わらず、ハンスは男女ともにモテモテだ。姉ちゃん、といわれているのだから、また女性と間違えられているのだろう。
 怒り心頭の様子でハンスが怒鳴り散らし、男たちが悲鳴をあげて走り去っていく。どうやら場が収まったようだったので、アニーはハンスに歩み寄った。

「ハンスー、だいじょぶ?」
「──なにがだっ」
 まだ怒っている。こうして声を聞けば──声を聞かずとも、知ってしまえばハンスは男の子以外には見えないのに、不思議なものだとアニーは思う。そりゃあ、綺麗な顔立ちをしているとは思うけれど。
 ハンスの足元で、クゥンと鼻を鳴らす音がした。目線を下げると、ハンスの足にすり寄るようにして、一匹の犬が目を細めている。
 なんだか、わかったような気がした。
 ハンス、プラスかわいい犬。
 これは女性度がアップだ。
「かわいいね」
 心からそういったのだが、ハンスは複雑そうな顔だ。ああ、とため息をつく。この無敵のコンビで、何度かナンパされたのかもしれない。
「ちょっとわけあって、今日一日預かっているんだ。犬とはほとんど接したこともないし、どうしたものか……それに、視線を感じる。そんなに、おかしいだろうか」
「え、むしろすごく似合ってるよ! これ以上なく、お似合い!」
 力説すると、ハンスはさらに顔を歪める。対照的に、足元の犬は得意げな顔をした。
 アニーはにんまりと笑んだ。
 そういうことなら、彼女の持ち込んだ用件は、まさしくぴったりだ。
「ねね、ハンス。実はプレゼントがあるんだ。ちょっとアトリエに来てくれる?」



 アトリエではぺぺとリーズが待っていた。まったりと茶を飲んでいた二人は、おかえりー、と声を揃える。
「ただいまー! ハンス連れてきたよー!」
「でかしたっ」
 アニーの言葉に、リーズがうきうきと薬瓶を取り出す。なにかを察知したらしいハンスがこっそりと帰ろうとしたので、アニーは慌ててその袖を掴んだ。
「ちょっと、なんで帰るの?」
「仕事が残ってるんだ! 怪しい実験台になっているヒマは……」
 ひどいいいようだ。アニーはしゅんと肩を落とした。
「ハンスのために、あたしとリーズ姉さんと、ぺぺにもちょっと手伝ってもらって、一生懸命作った薬なのにー。ちょっと試してみてよ」
「ぺ、ぺぺも?」
 どうやら意外だったようだ。ぺぺは仏頂面でうなずく。
「まあな。怪しいもんじゃないぞ、いっとくけど」
「そんなに信用ないなんて、ヒドイよねえ。あたしとアニーとぺぺの、愛の結晶なのに」
 リーズも追い打ちをかける。そうだそうだ、とアニーは頷いた。
 しかし、それでもハンスは逡巡しているようだ。これはもう説明した方が早いと、アニーはリーズの手から薬瓶を受け取った。
「これを飲めば、どんなにあがり症でも緊張しない! 奇跡の秘薬、その名も『裸の王様』だよ!」
 じゃじゃーん、と擬音をつけて高くかざす。ハンスはごくりとツバを飲み込んだ。
「き、緊張しなくなる……?」
「うんうん、ハンスってばすぐに緊張しちゃうでしょ? 相手が女の人だったり、偉い人だったりすると。これはなんとかしてあげたいよね、ってみんなで相談したんだー。飲んでみて、飲んでみて」
「い、いや、しかし、薬の名前が……」
『裸の王様』。ちなみに命名はリーズだ。
 良い名前だと思っていたアニーは、首をかしげる。
「なんか変?」
「変、というか……」
 沈黙が落ちた。
 アニーとリーズ、ぺぺの視線が、ハンスに集中する。
 足元で、ワン、と犬が吠える。
「……わ、わかった」
 ハンスは、薬瓶を受け取った。





「やったね、リーズ姉さん」
「とうとう、あたしたちの野望が叶えられるときがきた……!」
 女性陣の目が光る。
 呆れきった顔で、ぺぺがため息をついた。
「……やりたかったことって、それか?」
 薬自体は、怪しいものではない。それは確かだ。
 ただ、そこに、どんな思惑がからむかはまた別の話で。

 アニーとリーズ、そしてハンスと、オプションとして犬も一緒に、町の外へ繰り出していく。
 ハンスの武器防具は、前々から揃えてあった。薬の効果で、彼は堂々とフル装備してくれた。
 戦闘で傷つけば、回復アイテムも準備万端だ。

「だいじょうぶか、アニー!?」








 真剣な顔で、ハンスがココロンを差し出してきた。
 着ているのは、ピンクのフリルがまぶしい甘い服。手にした武器はかちわりケーキ。頭には、羽のついたアイゼンバレッタ。
 完璧だ。
「だめだー! だいじょうぶじゃないよっ、おもしろすぎるーー!!」
「あたしたちって天才っ、これどうしよう──!!」
 モンスターすらきょとんとするほどに、アニーとリーズは笑い転げた。


 


 翌日、薬の効果が切れたハンスから、アニーがド説教されたのはいうまでもない。  
 






────────────
リーズはきっとスタコラと逃げて、ハンスの説教を免れたのでしょう。
使い方によっては素敵な薬だと思うよ、ハンス!!

もう見るだけで爆笑もののイラストです。あかさとさま、天才だよ……。
今夜は夢に見そうです。
小説については全体が軽い冗談ということで……これリアルだったらあまりにもヒドイ。あ、でもCDジャケットで女装してるからアリなのかな(そもそも装備できちゃうという事実がなんとも。

微妙な出演になってしまいましたが、ワンコの正体が気になる方は、あかさとさまのオリジナル小説サイトブログへ!!
ワンコ抱っこしているアニーちゃんは、treasureにあります☆
  TOP


Menu

  はじめに
  SS
  LONG
  頂き物
  小ネタ・バトン
  拍手レス・雑記



Gust

   ガストゲームズサポーターズリンク「マナケミア・アルトネリコ2」公式サイトはこちらへ!

Rank etc

   アトリエサーチ!
   (GC)GAMEHA.COM - ゲーム派ドットコム


Profile

  Name : 光太朗。
  性別女、またの名を光太朗子。
  『アニーのアトリエ』ハマり中。

  本家オジリナル小説サイト↓↓
  『光太朗小説処』へ


Links


→ Reset