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『間接ちう』

とってとっても短いです。
題名のまんま。





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『間接ちう』



「飲む?」
 ズイ、と渡されたカップを、流れのままにハンスは受け取ってしまった。
 ストローの飛び出した、小さな紙カップ。マスコットであるフックスが、かわいらしく描かれている。
 公園の新しいサービスとして、暑い季節には飲み歩きのできるジュースを売り出したのだ。採取のついでに訪れたアニーも喜んで購入し、ハンスはというと喉は渇いていないからと買わなかったのだが。
「おいしいよー、季節のフルーツがぎゅっと入ってて。なんか、元気が出る感じ」
 ジュースの良さを語られるが、そういう問題ではない。
 おいしそうだな、とは思っていた。飲んでいる姿を見て、喉が渇いてきたから自分も買おうかな、とも思った。
 しかし、飲みかけを渡されるのは予想外だった。
 氷の入った容器は汗をかき、手がひんやりと濡れていく。
 ハンスは固まったまま、考えた。
 飲む、のは簡単だ。
 飲みたい、とも思う。
 しかし、この状況は──いわゆる、間接、なんとか、というやつだ。
「いらないの? おいしいってば」
「い、いや、いただこう」
 思わず、答えてしまった。とはいえすぐに飲む勇気はなく、持ったまま歩き続ける。
 アニーは不思議そうな顔をしたが、それ以上なにもいってこなかった。公園をぐるりと回って、じゃあ帰ろうか、と帰路につく。


 町に帰るまでの道中、モンスターに遭遇した。
 もちろん、ハンスも戦った。
 リヒターゼンにたどり着き、アニーのアトリエにも立ち寄った。茶をふるまってもらい、甘い菓子も食べた。
 日が暮れて、寮に帰っていく。



「なあ、アニー。ハンスがずっと持ってたアレ、なんだ?」
 聞く勇気はなかったらしいぺぺが、アニーに尋ねる。アニーは首をかしげた。
「ジュース。公園で買ったんだけど……」
 ひどく大切そうに、ずっと持っていた。アニーの知る限り、彼は一口も飲んでいない。そのまま、とうとう、寮にまで持って帰ってしまった。
「……そんなに、フックスが好きなのかなあ」


 リヒターゼンの夜は、今日も平和に更けていく。






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小ネタ的な。リハビリということで。
小学生か! とか思いながら書きました。

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  Name : 光太朗。
  性別女、またの名を光太朗子。
  『アニーのアトリエ』ハマり中。

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