FC2ブログ

treasure『少女と雨とがっぽんがっぽ』

SSの貴公子、平隊員Tさまにいただきました。
ほんのり心があったかくなる、素敵なSSです。というかSSS? とっても短いです。

作中に名前は出てきませんが、それは演出とのこと。
ほんわかしましょう!!





*****




『少女と雨とがっぽんがっぽ』 BY平隊員T



 とある雨の日、海に程近いリヒターゼンの街は打ち寄せる波と地下水道から溢れる水によって、足首辺りを隠す程に水没していた。
 水害と呼ばれるものではあるが、それは毎年の行事のようなもので、街に住み人々はその状況に対して慌てる風でもなく、溢れた水が元の場所に帰るのを家にこもりまったりと待っていた。
 そんな水の街の中を、淡いピンクの傘を差した少女が、長靴をかっぽんかっぽと鳴らしながら歩いていた。片手には大きな紙袋を抱えているところから、こんな日に買い物だったのだろうか。
 眉をひそめると不満そうに溜息を一つ、傘の上のまた上、遥か上空を広く覆う鉛色を睨みつつ、再び溜息を吐くとがっぽんがっぽと歩き始めた。
 傘をてんてんと打つ雨音と、足下の水面をがっぽんがっぽと重たく蹴る音が、人通りの無い噴水広場に響く。次第にその音を心地良く思った少女は、そっと笑みを浮べると大きく跳ぶ。ぱしゃんと大きな音を立てると、足下に広がる水が大きく跳ね上がった。
 その様子に少女は無邪気に笑うと、続いて大きく跳ね、そしてまた跳ねる。
 てんてん、がっぽん、ぱしゃん、てんてん、がっぽん、ぱしゃん。不器用に重なる音が不器用な音色を奏でて噴水広場に響いた。
 フリルの付いた可愛らしいエプロンドレスの裾がびっしょりと濡れる頃、足下の水面がきらきらと綺麗に輝いたのを目にし、少女は傘の端から空を仰ぎ見る。
 気付けば雨は止み、鉛色の隙間から眩しい程の太陽がのっそりと顔を出し始めていた。
 少女は傘をたたむと、お寝坊な太陽の光に眩しく片目をつむりながら優しく微笑んだ。

「もう夏ねえ……」


 雨が止めば夏はすぐそこ。
 がっぽんがっぽと、リヒターゼンの街はそれを知らせる。








────────────
ああ、なんて、微笑ましい……!!
この後とか、色々想像してしまいます。場所が広場なだけに!(笑

平隊員Tさま、雰囲気満点のSSを、ありがとうございました!

  TOP


Menu

  はじめに
  SS
  LONG
  頂き物
  小ネタ・バトン
  拍手レス・雑記



Gust

   ガストゲームズサポーターズリンク「マナケミア・アルトネリコ2」公式サイトはこちらへ!

Rank etc

   アトリエサーチ!
   (GC)GAMEHA.COM - ゲーム派ドットコム


Profile

  Name : 光太朗。
  性別女、またの名を光太朗子。
  『アニーのアトリエ』ハマり中。

  本家オジリナル小説サイト↓↓
  『光太朗小説処』へ


Links


→ Reset